NOTE — 読みもの

データを、外に出さない。

ローカルファーストっていう作り方/2026-09-11

便利な道具って、たいてい「データをどこかに預ける」のと引き換えに動きますよね。クラウドに上げて、向こうで処理してもらう。私たちはそれを、なるべくしないで道具を作っています。

ローカルファースト、ってなに?

ざっくり言うと、扱うもの——台本とか、声とか、録音、レシートの数字——が、ぜんぶ手元の端末の中だけで完結する作り方のことです。処理も端末の中でやって、ネットの向こうへは送りません。

なんで、そうしてるか

本業が映像制作なんです。現場だと、他人の機密をよく預かります。世に出る前の台本、式典や手術の記録、経費の中身。こういうのを漏らさないのは、仕事として当たり前のことでした。で、自分たちの道具も同じノリで作ってる、という感じです。預かる理由がないものは、預からない。それだけなんですよね。

じゃあ具体的に、どう「出さない」の?

これ、映像の現場だけの話じゃなくて

今って、誰でも毎日ちょっとずつ「自分の情報を、どこまでネットに預けるか」を選んでますよね。その問いに私たちなりに出したひとつの答えが、ココハワタシガ(領収書アプリ)です。レシートの読み取り(OCR)は端末の中で完結。外に出るのは書き出しを選んだときの仕訳に必要な数字だけで、しかも自分で「確認済み」にしたものしか入りません。写真も買い物の中身も出ていきません。お金まわりって、いちばん人に見られたくないところですしね。

「一切通信しません!」とは、言わない

たぶんここが一番大事で。「絶対に何も送りません」って言い切れたら話は早いんですけど、それ、正確じゃないんです。通信する場面は、いまのところ 2 つあります。

ひとつは ScribeDesk が、文字起こしのエンジン本体を取りに行くとき。「最初の一回だけ」と書きたいところですが、それだと正確じゃありません。使うモデルを変えたときにも、要約用の言語モデルを入れるときにも取りに行きます。つまり、使い始めたあとにも起きうる通信です。

もうひとつは Spica Legato の製品版。こちらはまだ出していませんが、出すときには、返金済みの鍵や流出した鍵から正規のお客さんを守るために、鍵と、元に戻せない形にした機器の識別子を送ることになります。間隔はだいたい月に 1 回くらいの見込みです。無償の体験版のほうは、ライセンス管理そのものを持たないので通信しません。

——大事なのは、どちらも中身(台本や録音)そのものは送っていないこと。そして送るときは隠さず、履歴もぜんぶ見せること。「出さない」と言うなら、出すときだけは正直に見せる。そこは大事にしたいなと思っています。

露出を控えめにしてるのも、たぶん同じ理由

作り手が静かなほうが、預ける側は安心できるよなと。だからこのサイトも、売り込みはしません。必要な人が探したときに、ちゃんと見つかればいい。そのくらいでちょうどいいと思っています。

ついでに、このページのことも

道具の話をしてきましたが、いま読んでいるこのサイト自体はどうなのか。ここも書いておきます。フォントは自前で置いていて、外部へ出ていくのは Cookie を使わない匿名のアクセス集計だけです(どのページが読まれたか、くらいの粒度で、個人は追いません)。詳しくはプライバシー方針に書いてあります。

Spica Image Creation — 映像制作と、ローカルファーストの道具。
道具のこと: Spica LegatoVerikanScribeDeskココハワタシガ
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