NOTE — 読みもの
データを、外に出さない。
便利な道具って、たいてい「データをどこかに預ける」のと引き換えに動きますよね。クラウドに上げて、向こうで処理してもらう。私たちはそれを、なるべくしないで道具を作っています。
ローカルファースト、ってなに?
ざっくり言うと、扱うもの——台本とか、声とか、録音、レシートの数字——が、ぜんぶ手元の端末の中だけで完結する作り方のことです。処理も端末の中でやって、ネットの向こうへは送りません。
なんで、そうしてるか
本業が映像制作なんです。現場だと、他人の機密をよく預かります。世に出る前の台本、式典や手術の記録、経費の中身。こういうのを漏らさないのは、仕事として当たり前のことでした。で、自分たちの道具も同じノリで作ってる、という感じです。預かる理由がないものは、預からない。それだけなんですよね。
じゃあ具体的に、どう「出さない」の?
- Spica Legato(プロンプター):台本も、読み上げに使うマイクの声も、端末から出ません。声の速さに合わせてスクロールする「声追従」の解析も、ぜんぶ端末の中。そもそも台本を送る先のサーバーが、存在しないんです。
- ScribeDesk(文字起こし・校正):録音した音声も、そこから起こした本文も、この PC の中だけで扱います。議事録とか、人には聞かせられない打ち合わせとか——「便利なのは分かるけど、この音声をどこかのサーバーに上げるのはちょっと」って場面、けっこうありますよね。そこを手元だけで済ませる道具です。
- Verikan(納品前チェック):ディスクの中身を読んで、手元で判定するだけの道具です。いまはライセンス管理も持っていないので、そもそも送るものがありません。
これ、映像の現場だけの話じゃなくて
今って、誰でも毎日ちょっとずつ「自分の情報を、どこまでネットに預けるか」を選んでますよね。その問いに私たちなりに出したひとつの答えが、ココハワタシガ(領収書アプリ)です。レシートの読み取り(OCR)は端末の中で完結。外に出るのは書き出しを選んだときの仕訳に必要な数字だけで、しかも自分で「確認済み」にしたものしか入りません。写真も買い物の中身も出ていきません。お金まわりって、いちばん人に見られたくないところですしね。
「一切通信しません!」とは、言わない
たぶんここが一番大事で。「絶対に何も送りません」って言い切れたら話は早いんですけど、それ、正確じゃないんです。通信する場面は、いまのところ 2 つあります。
ひとつは ScribeDesk が、文字起こしのエンジン本体を取りに行くとき。「最初の一回だけ」と書きたいところですが、それだと正確じゃありません。使うモデルを変えたときにも、要約用の言語モデルを入れるときにも取りに行きます。つまり、使い始めたあとにも起きうる通信です。
もうひとつは Spica Legato の製品版。こちらはまだ出していませんが、出すときには、返金済みの鍵や流出した鍵から正規のお客さんを守るために、鍵と、元に戻せない形にした機器の識別子を送ることになります。間隔はだいたい月に 1 回くらいの見込みです。無償の体験版のほうは、ライセンス管理そのものを持たないので通信しません。
——大事なのは、どちらも中身(台本や録音)そのものは送っていないこと。そして送るときは隠さず、履歴もぜんぶ見せること。「出さない」と言うなら、出すときだけは正直に見せる。そこは大事にしたいなと思っています。
露出を控えめにしてるのも、たぶん同じ理由
作り手が静かなほうが、預ける側は安心できるよなと。だからこのサイトも、売り込みはしません。必要な人が探したときに、ちゃんと見つかればいい。そのくらいでちょうどいいと思っています。
ついでに、このページのことも
道具の話をしてきましたが、いま読んでいるこのサイト自体はどうなのか。ここも書いておきます。フォントは自前で置いていて、外部へ出ていくのは Cookie を使わない匿名のアクセス集計だけです(どのページが読まれたか、くらいの粒度で、個人は追いません)。詳しくはプライバシー方針に書いてあります。
道具のこと: Spica Legato ・ Verikan ・ ScribeDesk ・ ココハワタシガ
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